街角小噺し : この家の人
掲載日時: 2021-2-28 6:00:00 (37 ヒット)
しばらく行っていない町を歩いてみました。
「あれ〜この空き地には何があったっけ?」
こんなことはよくあることです。
しかし、この空き地には、たしか若い頃によく来たレストランさんがあったはずです。
ご主人と奥さんが、とてもいい人で、おしどり夫婦でよくがんばってやってみえました。孫ができたり、店を拡張したり、人生の喜びもよく見聞きしてきました。それ以後ご主人が病気になられたことは聞いていましたが、今見てみると昔の面影はどこにもありません。
それ以後の消息を知るよしもありません。
昔のご夫婦の喜び悲しみのドラマの跡はどこにも見ることはできません。
ただ無表情の空き地が広がるばかりです。
人生って一体何なのでしょうか。あの人生のドラマはどこへいったのでしょうか。もし、私がここでいなくなっても、だれも何も感慨を抱くこともなく、不思議に思うこともなく平然と過ぎ去っていくのでしょうか。